大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和23(れ)1038 判決

主 文

本件各上告を棄却する。

理 由

弁護人千葉律之上告趣意について。

本件公判請求書の引用する司法警察官意見書の記載によれば、本件公訴事実は被

告人等が酒の密造を計画し、その原料たる米麦を闇買することを共謀した上、所論

のようにA外五名から八回に亘り所論の米麦を買受けたと云うのであるから、各買

受行為は物価統制令違反の連続一罪として公判に付せられたものであると認むべき

である。

斯くの如く、数個の行為が連続一罪として公判に付せられた場合において、裁判

所が各行為について審理を遂げた上、そのうちの或行為は有罪であると認め、他の

行為は犯罪の証明が不充分であると認めたときは、その有罪の部分についてのみ主

文において刑の言渡をなし、旧刑訴第三六〇条所定の理由を付せば足り、他の部分

について、特に無罪の言渡を為すべきではなく且判決理由にこれを説明する必要も

ない。(無罪と認めた部分についてもその旨を判決理由中に説示するのが妥当では

あるが、これを判示しなければならぬと云う法律上の根拠はない。)

原判決が公訴事実中Aよりの買受事実につき何ら判示しなかつたのは、右と同趣

旨に出てたものであること記録上明かであるばかりでなく、所論の外一名とは、B

に対する司法警察官の聴取書の記載から推認されるように、本件小麦一俵の買受事

実について、右売主はCであるとして起訴されたところ、原判決は判示第三のごと

く、右売買の売主はBであると認定したものであることも、同様明かである。従つ

て、原判決には、何ら所論のように判断を遺脱した違法はないから、論旨は理由が

ない。

弁護人上村進の上告趣意書は旧刑訴第四二三条所定の期日を経過した後、提出さ

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れたものであるから、不適法である。

よつて、刑訴施行法第二条、旧刑訴第四四六条に従い、主文のとおり判決する。

以上は、裁判官全員一致の意見である。

検察官 橋本乾三関与

昭和二四年三月一二日

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 霜 山 精 一

裁判官 栗 山 茂

裁判官 小 谷 勝 重

裁判官 藤 田 八 郎

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